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会社破産の判断ポイントと営業停止のタイミング

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会社破産の経営判断自己破産の決断

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会社の破産を決める経営判断の方法

 会社の破産は会社の負債を整理するだけでなく,会社の存在を消滅させることとなる重大事項です。
 会社経営者はいったいどのように会社の破産を決断すればよいのでしょうか?

【会社破産は困難な決断】

 会社の破産の決定に,絶対にこうだという決まりはありません。現状月末の支払が厳しくとも,急に大きな取引が入るかもしれない。まだなんとかなるかもしれない。過去に困難を乗り越えてきたように,今度もまた大丈夫かもしれない。社長が希望を持って頑張れる限り,会社は続くのかもしれません。
 しかし,無理に会社を続けることが,周囲にむしろ迷惑となることもあります。そのうち給料を遅配し従業員に迷惑をかけ,債権者にはいつまでもあてもなく支払を待ってもらわざるを得ず,銀行口座には滞納税金や社会保険料の差押が続くことになってしまいます。
 適切なタイミングで,会社廃業の決断が必要です。

【会社破産の判断材料】

 会社をなんとか継続していくか,破産を決断するか,判断のポイントは以下のとおりですが,一律に決められるわけではありません。これらの要素を元に,総合的な経営判断が必要です。

営業利益が赤字である

 営業利益が赤字ということは,そもそも事業が商売として成り立っていないということです。このままでは営業を続ければ続けるほど会社の資本を食いつぶし,債務が増大し,最終的な関係者の迷惑が拡大してしまいます。
 営業利益の赤字が何期も継続しているなら,そもそも事業が成り立っていないのですから,よほど確実な将来の見込がないかぎり,会社の再建は困難と考えられます。早急な廃業の判断が必要です。

公租公課の滞納をしている

 消費税や固定資産税,社会保険料などの公租公課の滞納を続けてしまっている場合,会社の継続は容易ではありません。
 また,税務調査が入り認識の違いなどで多額の追徴課税となってしまった場合,分割払の交渉が必要ですが,支払の目処が立たない場合は,同様に差押のリスクが生じます。
 公租公課の納税をせずに役所からの連絡を無視していたりすると,役所は裁判なしで強制執行をすることができますから,ある日突然銀行預金などを差押えられることになります。なけなしの会社資産が全て抑えられてしまってからでは,破産の手続費用すら出せなくなってしまいます。

ひと月でも給料の遅配をしてしまった

 そもそも従業員に毎月の給料を支払えない状態では従業員の協力が得られなくなるのは時間の問題といえます。
 また,従業員は会社が破産すれば未払賃金について国の未払賃金立替制度で原則8割の立替払が受けられるのですが,倒産の日の6ヶ月前までに退職したのでなければならず,また,退職日の6ヶ月前以降の未払い賃金しか対象にならなりません。給料の遅配をしたまま解雇して時間が経ってしまったり,未払いのまま長く雇い続けてしまったりすることは,従業員にとっては大変迷惑なことです。
 さらに,従業員は会社都合の解雇であれば有利な条件で失業保険が受けられますから,会社が倒産により適切に解雇手続を行えば,さしあたり明日の生活に困るということはないのです。
 給料の遅配をひと月でもしてしまい,支払の目途が立たないなら,これ以上従業員に迷惑をかけないためには,経営者は倒産の判断を急ぐ必要があります。

銀行がリスケに応じてくれない

 銀行からの借入を約定どおり返済できない場合,考えられるのが返済のリスケジュールです。返済期間の延長や,場合によっては元本の支払を待ってもらい,利息の支払だけとしてもらえるように銀行と交渉をすることが考えられます。
 しかし,銀行に支払の先延ばしを相談しても,会社の今後の経営の見込みによっては,銀行が応じてくれないことがあります。これはもう引導を渡されたようなものです。
 返済をしないでいると,一括返済を求められたり,遅かれ早かれ訴訟を提起され,担保を実行され,強制執行を受けることになります。

近日期限の支払ができない

 例え明日に多額の入金が見込まれようとも,今日の返済資金が用意できなければ,会社は倒産します。
 運転資金が乏しくなりがちな業種・業態の会社によくあることなのですが,会社に高額の資産があり帳簿上は債務超過でなくとも,会社の資産が不動産や売れ行きの悪い商品在庫,入金サイトが長くすぐに回収ができない売掛金や受取手形のようなもので,現金への換価ができないものしかなく,今日支払わなければならない債務があり,銀行から当座の融資が受けられずの今日の支払ができないなら,会社の倒産(黒字倒産)があり得ます。
 会社の決算が黒字であっても,流動資産が乏しく資金繰りがつかないなら,債権者に支払を待ってもらえないか交渉するしかなく,だめであれば滞納するか破産(黒字倒産)をするかの選択になり,今後の入金の見込みを踏まえ,最悪ではないのはどちらかという決断をせざるを得ません。

会社破産オリオン法律事務所

【弁護士に相談を】

 会社の破産の決断は,会社の経営を熟知する社長にしかできない困難な経営判断ですが,弁護士も助言させていただきますので,弁護士の意見も参考にしながら,間違いのない意思決定をなさって下さい。

会社の営業停止(廃業)のタイミング

【適切な時期に営業停止を】

 会社の破産を決断して会社破産を弁護士へ依頼したとしても,債権者にいつ弁護士の介入通知を発送するかや,会社の営業をいつ停止するかはまた別に検討が必要な問題です。
 会社の破産を考えたとき,今後の売掛金の入金予定や支払のスケジュール,営業停止による混乱発生の見込などを踏まえ,適切な営業停止(廃業)のタイミングを決める必要があります。適切な会社の営業停止(廃業)のタイミングは会社の状況により異なりますので,社長と弁護士とで最適な時を考え慎重に時を決定しなければなりません。
 例えば,状況によっては弁護士に破産を依頼後すぐに営業を停止することもありますし,従業員にも取引先にも破産のことを伏せて会社の営業を続けつつ並行して破産の準備を進め,そのまま破産の申立時期まで営業を続けることもあります。

【営業停止のタイミングを逃してしまうと…】

 比較的小規模の会社でよくある状況なのですが,営業赤字の状況が続いて先の見込が立たないのに,会社の現金や預金がある限りは営業を続けてしまい,回収できる売掛金も回収して全部使ってしまい,目先の運転資金が少しでもあればそれを全部使い切ってしまって,会社になにも資産がない状況になってから,借金だけを破産で解決しようとするケースがあります。
 社長の立場からすれば最後まで頑張ったのだということなのかもしれませんが,先の見込が立たない経営はその場しのぎを続ける形になりがちであり,例えば従業員の給料を遅配してしまったり,目先の現金入手のために会社の財産を不当に安く処分してしまったり,強硬な取立姿勢のある債権者には返済して何もいってこない債権者には返済しないといった債権者間の不公平な状況も発生しがちです。多くのケースでは会社の経営が悪化すると役員報酬を減額したり未払とするものですが,好ましくないケースでは,従業員の給料を遅配しながら最後までキッチリ高額の役員報酬をとっている場合もあります。破産は多数の関係者に迷惑を与えることには違いありませんから,決して自分の利益だけを考えたり,安易に考えたりしてよい手続ではありません。問題行為があると破産の申立後に管財人から問題視され,問題行為を行った関係者に対して責任追及がされることもあります(否認権の行使,損害賠償請求等)。
 また,会社に何も資産がない状態になってからの破産依頼では,会社破産のための最低限の手続費用すら捻出できません。第三者が手続費用を支援してくれれば手続は可能ですが,結局それはその方にご迷惑をかけ,新たな被害を広げることになりますから避けるべきですし,手続費用の支援者も見つからなければ破産手続自体行うことができなくなって,夜逃げするしかないようなことになってしまいます。

 無理な経営をし過ぎず,早期に破産を申立てることで,会社に残っている財産について,会社の債権者に公平な形で配当することもできます。経営難の会社の社長の,会社や取引先に対する最後の責任は,無理な経営を続けることではなく,合法かつ適切に破産手続を準備すること以外にはありません。お早めに弁護士にご相談いいただくことが大切です。

会社破産の法的な必要条件

 会社が破産するには以下のとおり法律上の必要条件があります。
 ただし,経営難の会社は多くの場合に容易に条件を満たしますので大きな問題とはならないのが通常ですし,弁護士が会社の帳簿等を拝見して検討しますので社長による検討は不要です。以下は参考に留めて下さい。

【破産開始の要件】

支払不能(破産法15条)

 支払不能とは、債務者が支払能力を欠くために,その債務のうち弁済期にあるものにつき,一般的かつ継続的に弁済することができない状態とされています(破産法2条11項)。
 支払停止により推定され(破産法15条2項),弁護士に会社の破産を依頼し弁護士を代理人として債権者に介入通知を発送したタイミングや,2回目の手形不渡り,店舗での廃業広告をした時が支払停止の時期と判断されます。

債務超過(破産法16条)

 債務超過とは,債務者がその債務につき,その財産を持って完済することができない状態とされています(破産法16条1項括弧書)。
 自己破産の場合,会社の貸借対照表が債務超過であれば,多少の簿外資産があったとしても,この条件を満たすと判断されるのが通常です。

弁護士法人オリオン法律事務所

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